日本のあるべき姿
原発、死刑、新卒採用と日本人がこだわる不可思議なものは多い。どれも一たび道を外れると
やっかいなものばかりだ。世界でも有数の地震国でTSUNAMIで有名な日本はまるで地雷
のように沿岸部に原発を並べた。今回の福島第一の件は、安全対策が不十分(冷却用電源の故障)
だったことが原因だったのではなく、あんな大災害がおこるようなところに原発を作ったのが
間違いなのだ。死刑制度も必要ない。よく裁判所が「犯罪が悪質で更生の余地がない」という
死刑判決を言い渡しているが、更生させられないなら刑務所はよく機能していないわけだし、
更生が確認できないなら、ずっと刑務所に入れておけば社会の安全は保たれている。また、証拠
の評価が難しい場合、裁判員制度では裁判員にとてつもない苦労を強いる。さらに、人に死を
もって償わせるという発想では、被害者家族も心の平安は取り戻せないし、求刑する検察官に
神に比肩せんとするおごりを生じさせ、人命や人権への無関心を生じさせる恐れもある。
新卒採用についてのこだわりも今となっては不合理だ。日本の弱点は島国で国際的で多様な
価値観を受け入れないところにある。中国、インド、韓国の若者が多数留学しているのに、
日本人の若者は留学しようとしない。多様な価値観を受け入れるだけの「聞く耳」を持って
いないと、既成概念、既得権益に縛られて、前進できず、国際社会についていけなくなる。
若者に時間を与えて、世界を広く見聞させて、日本国内での改革の一助にさせる必要があるのだ。
その時間を作るためにも、新卒にこだわる必要はない。
なでしこJAPANはアメリカを相手に決勝に臨む時、「楽しむ」と言った。こだわりを捨てる
ことで自らを解放し、最大限の力を発揮して勝利を獲得する。これからの日本のあるべき姿を
見ることができた。
プリンスがワーナーブラザーズと決別する時も、同じようだった。ばかなプライド(foolish pride)を
捨てて、物事を行くべきところに行かせる(let it go)。そうして自らの解放(emancipation)に成功
すれば、至福の時(gold experience)を得られると。